音程の度数の数え方 – なぜ音程には「0度」がないのか

音楽の勉強を始めたばかりの頃、私は音程の「1度」とか「2度」とかいう数え方が全く受け入れられませんでした

本当に、違和感しかなかった(笑)

「音程」とは二つの音がどれだけ離れているか

そもそも「音程」とは何なのか?というと、例えば私の手持ちの本「一番よくわかる楽典入門」によると

音と音の間には間隔があります。ふたつの音の高さがどれだけ離れているかを数字で表したものが「音程」です。

「一番よくわかる楽典入門」より

とのこと。

そんな「音程」には、下表のように↓

quality(クオリティ)長・短・完全・増・減など
number(ナンバー)1度、2度、3度、……

「quality」と「number」の2つの要素がありますが、今日のところは、下段の「number」の数え方に絞って書いていきます!

「ド」と「ソ」は何度の音程?

うん、分かったわ、「音程」とは音と音の間隔のことなのね、と。

さて、ここで問題です。
「ド・レ・ミ・ファ・ソ」の「ド」と「ソ」は何度の音程でしょう?

えーっと、「ド・レ・ミ・ファ・ソ」とあって、「ド」と「ソ」の間隔は……

感覚的に「4度」だと思いません?思いますよね??(同調圧力w)

だってピアノの鍵盤を見ても、「ソ」は「ド」の4つ隣にあるし。

でも違うんですよ……「ド」と「ソ」は5度の音程なんです。

この数え方、私は最初まっっったく理解できませんでした。



英語の「音程」の考え方

困惑する私を助けてくれたのが、英語で書かれたテキストやウェブページです。

あくまでも個人的にですが、音楽理論は英語で書かれた説明の方が分かりやすいような気がします。

やっぱり欧米で発展したものは、欧米の言葉で書いたほうが伝えやすいんでしょうかねー。

音程の度数は「序数詞」

例えば、手持ちの「Adult Piano Adventures 1」には、こう書かれています。

From C up to E is the interval of a third (3rd).  

訳: 「ド」から「ミ」までの音程は「3rd(サード)」です。

ポイントは、わざわざ英語のままにした「3rd」という単語。

「3rd」は、「第3の」「3番目の」という意味で、順序を表す「序数詞」です。

一方、「3(three, スリー)」は、「3つの」という意味で、数量を表す「基数詞」と言います。

序数詞には基本的に「ゼロ」はない

そして、「〇番目の」と順番を表す序数詞には、基本的に「ゼロ」はないんですよ……!

確かに、「第0番」「第0回」「第0位」「0番目」「0巡目」……って日常的には使いませんもんね。

まあ映画なんかでは、前日譚を描く形でわざと「エピソード0」って言ったりはしますけど、基本的にエピソードは「1」からスタートしているはずです。

日本語だと基数詞っぽい響きになる

音程は、順番を表す「序数詞」で示すもの。

でも、日本語の「〇度」って、どちらかというと数量を表す「基数詞」っぽい感じが強くありません?

角度が0度、気温が0度、etc.。

「0」もあるし、マイナスだって普通にある。

そんな「度」が、順番を表す「音程」の単位として使われている……。

このあたりが、私が違和感を抱いた理由なんだろうなーと思いました。



序数詞で考える音程

音程の度数は、序数詞で。

だから、「ド」を基準にした音程を考える時は、

ファ
1番2番3番4番5番
1st2nd3rd4th5th

こうなりますね!

ここで、最初の「ド」と「ソ」は何度の音程?という問題に戻ると……。

「ド」を1番と考えたとき、「ソ」は5番目の音になる

だから、「ド」と「ソ」の音程は5度!となるわけです。

結局「慣れ」が最強

……と、頭では理解したつもりでも、その後しばらくは音程の数え方に違和感が残りました。

でも、ピアノ歴3年目となった今では、さほど違和感がありません。

理由は単純です。

慣れました!!(笑)

結局、「慣れ」こそが最強なのだ……!!

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