今月から練習を始めたシューマンの「サンタクロースのおじいさん」という曲があるんですが、これがあまりにも、あまりにもタイトル詐欺な曲でした。
だって最初からこの低音ですよ。右手もへ音記号でかなり低め↓

しかも、16分音符も多いのにこの速さ!↓

サンタクロースのおじいさん……?
鉄人兵団じゃなくて??
こんなに低音で、高速で、左右の手がシンクロして、強いアクセントもあって、……こんなの、完全に悪い組織の兵隊の足音じゃん!!
ぜんぜん「サンタクロースのおじいさん」って感じがしないのよ!!「おじいさん」のゆったり感とか、クリスマスのキラキラ感とかがまったくない!!
なんかもう、
「クリスマスに家族で観るのにピッタリ!夢と希望にあふれるハートフルドラマ!」
みたいなキャッチコピーの映画を観に行ったら、
「ロボット兵に支配された近未来世界で逃避行を続ける人間たちのヒューマンドラマ」
を見せられた……みたいな気分です。あービックリした。
それでも無理やりこの曲をサンタクロースに関連づけるとしたら……?
多分、サンタクロースが嘆いてるんでしょうね。
もう高齢者なのに、深夜に大量の荷物を運ぶなんていう重労働をさせられて、しかも納期がめちゃくちゃ厳しくて……。
サンタクロースのおじいさんの、社会への強い憤りを感じます。
とまぁこんな感じでこの曲は、最初に「サンタクロースのおじいさん」というタイトルからイメージしたのとは全く違う曲でした。
が、それはそれで妄想が膨らむので、意外と悪くないかな(笑)
サンタクロースのおじいさん、無理しないでね!
※追記
これ、PTNAの曲解説によると、もともとのタイトルは「Knecht Ruprecht」で、直訳すると「従者ループレヒト」となるそうですね。「ループレヒト」は人名。
そして、
ループレヒトは、聖ニコラウスの日にあたる12月6日、プレゼントと鞭を携えて子供たちのもとへやってくるサンタクロースである。良い子にはご褒美としてプレゼントを、悪い子には鞭でお仕置きをする。主部と中間部では、このような対照的な場面が表されているようだ。
良い子にはプレゼントを持ってくるっていう意味ではサンタクロースだけど、悪い子には鞭でお仕置きかあ……。
こわっ
そりゃ、冒頭の鉄人兵団みたいなメロディになるわけですね。だって鞭を持った仕置人がくるんだもん。
こわっ!