先日のこちらの記事で私は、
「インベンションは転調するのが難しい!」
「1番はニ短調からイ短調への転調がキツイ!!」
などと愚痴をこぼしておりました。
良い機会なので、ここでインベンション1番に登場する調について勉強してみます!
ちなみに参考書籍はこちらです↓
アナリーゼの技法 バッハ/インヴェンションインベンション1番に登場する調
えーと、まず、インベンションの1番に登場する調は、
- ハ長調
- ト長調
- ヘ長調
- ニ短調
- イ短調
の5種類です。
え、ちょっと待って、多くない?
ハ長調の曲とは
インベンション1番に5つの調が出てくると知って、初級を出てきたばかりの人間は思うわけです、
「この曲はハ長調の曲だって聞いてたんですけど??」
って。
だって初級のテキストでは、だいたい「ハ長調の曲=白鍵だけ!」ですよね!?
もちろん転調もしない、しても1回、そして臨時記号もほぼ無い。
簡単で初心者向け、それがハ長調の曲!
……というね、そういう認識だったんです。
ところがそんな初級レベルの認識を真っ向からブチ壊してくる、それがインベンションの1番でした。
ハ長調である小節の割合
だってインベンション1番は、22小節のうち9小節くらいしかハ長調の部分がないんですよ!全体の40%くらい!
つまり、残りの60%くらいはハ長調以外で構成されているということ。せめて過半数はハ長調であって欲しかった!
まあ、でも仕方がない。
というか音楽全体で見ると、きっと「本当に最初の最後まで一つの調しか出てこないような初級アレンジの曲」の方が珍しいんでしょうね。
インベンション1番に登場する調同士の関係
さて、話をインベンション1番に戻します。
このインベンション1番に使用されている5調は、どうやら適当に選ばれているわけではないようです。
そりゃそうですよね、だって「音楽の父・バッハ」の作品ですもんね!
ハ長調の平行調・属調・下属調
インベンション1番に出てくる調の関係をまとめると、こうなります↓
調 | 調号 | 関係 |
---|---|---|
ハ長調 | なし | 主調 |
イ短調 | なし | 主調の平行調 |
ト長調 | ♯1 | 属調 |
ヘ長調 | ♭1 | 下属調 |
ニ短調 | ♭1 | 下属調の平行調 |
えーと、自分でも確認用に:
- 調号が同じなのが平行調
- 主調の第5音(V)から始まるのが属調
- 主調の第4音(IV)から始まるのが下属調
で合ってますかね?
こういうのをまとめて、「関係調」や「近親調」と呼ぶらしいです。
広義には呼ぶけど狭義には呼ばないとか、いろいろあるみたいですが……とりあえず、インベンションの1番はハ長調とハ長調に近い調で構成されているということですね!
関係は近くても、短調は難しい
私が弱音を吐いていたイ短調とニ短調も、調号的には確かにハ長調に近いですね……、
あくまでも調号的には、ね!!
でも短調は旋律的短音階とか和声的短音階とかいって、第6音と第7音がコロコロ変わるからな〜。
主調と違うところが多くて、弾くのはやっぱり大変!!
というわけで、今日はここまで。
これから、まだまだ「調性の流れ」とか「調整のゆれ」とか呼ばれるものを見極める作業があるようです。
そして、「終止」とやらも学ばないと……。
私のアナリーゼの道は、まだ始まったばかり!今後も頑張ります!