バッハ「インベンション(インヴェンション)」の難易度と、指導・練習の順番

PTNAのステップによると、バッハの「インベンション」の難易度は

「応用3、応用4、応用5、応用6、応用7、発展1」

となっています。そこそこ弾けたら応用3レベル、とっても良い感じに弾けたら発展1レベル、って感じでしょうかね?(適当)

このようにPTNAのステップでは「インベンション」の15曲すべてが同じ「応用3〜発展1」という判定なんですが、実際にはやはり曲によって少しずつ難易度は違うようで。

「じゃあ難易度順に並べたらどうなるの?」

というのを今回は調べていきます!

バッハ「インベンション」の難易度:バッハが息子に与えた順番

まず見ていくのは、こちら↓

バッハ, J. S.: ウィルヘルム・フリーデマン・バッハのための練習帳/ベーレンライター社

ウィルヘルム・フリーデマン・バッハのための練習帳」は、バッハが息子のフリーデマンの教育のために与えた小品が書き込まれた楽譜帳この楽譜帳に収録された順が、「バッハがどの曲をどういう順で息子に与えたのか」を示しているとのことです。

のちに「インベンション」として再編される曲たちは、「ウィルヘルム・フリーデマン・バッハのための練習帳」の中では「プレアンブルム」という名前がついています。「前奏曲」というような意味らしいです。

そんな「プレアンブルム」と「インベンション」、そしてバッハの曲につけられている「BWV」の番号を対応させると下表のようになりました。

プレアン BWV インベンション 調
1 BWV 772 1 番 ハ長調
2 BWV 775 4 番 ニ短調
3 BWV 778 7 番 ホ短調
4 BWV 779 8 番 ヘ長調
5 BWV 781 10 番 ト長調
6 BWV 784 13 番 イ短調
7 BWV 786 15 番 ロ短調
8 BWV 785 14 番 変ロ長調
9 BWV 783 12 番 イ長調
10 BWV 782 11 番 ト短調
11 BWV 780 9 番 ヘ短調
12 BWV 777 6 番 ホ長調
13 BWV 776 5 番 変ホ長調
14 BWV 774 3 番 ニ長調
15 BWV 773 2 番 ハ短調

え、バッハが2番目に与えたのはニ短調の曲なの??

私がインベンション1番の練習で苦労したのは、まさにそのニ短調のパートなんですけど……(笑)

まぁでも、「譜面の見た目」的にもインベンションの曲の中では

  • ニ短調(4番)
  • ホ短調(7番)
  • ヘ長調(8番)
  • ト長調(10番)

が弾きやすそうな気はします。


バッハ「インベンション」の難易度:練習と理解をスムーズにするための指導順番

ちなみに、音楽之友社さんから出版されているこちらのムック本↓

増補版 徹底解説 バッハ「インヴェンション&シンフォニア」弾き方教え方 (ONTOMO MOOK)

この中にある「バッハ《インベンション》が楽しくなるレッスン」という特集で、「※取り上げる曲の順番は、生徒の理解をスムーズにする流れの一例として、筆者が考えたものです。」という但し書きとともに紹介されている順番が下表です↓

指導順番インベンション
1第1番
2第4番
3第8番
4第14番
5第13番
6第9番
7第2番
8第12番
9第5番
10第6番
11第10番
12第7番
13第11番
14第3番
15第15番

現代の指導者の方から見ても、やはり1番の次は4番、それから8番あたりにいくのが妥当みたいですね!


バッハ「インベンション」の難易度:テクニックと理解

テクニックも曲の構成も、学べることが多いバッハの「インベンション」。

学べることが多いからこそ、「難易度」といっても「指を動かす難易度」なのか「曲を理解する難易度」なのか?いろいろと考慮することがありそうです。

まぁそれでも、

  • 初期:1番・4番・8番
  • 後期:3番

このあたりは割と手堅いのかなー。あとは生徒の得意・不得意にもよる、という感じで。

そんなわけで、私も素直に1番の次は4番の練習をしようと思います。

待ってろニ短調!!

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