ブルクミュラーの「進歩」(Progrès)についてのイメージトレーニングを初めてした時(こちらの記事です)、
「私も成長できてる!」「嬉しい!」「次も頑張る!」みたいな「ウキウキ感」や「ワクワク感」が出せたら良いなと思います。
と書きました。
ベテランの「進歩」ではなく、初心者らしい「進歩」ということで。
とか言っちゃって。
ところがこの曲、実際に楽譜をよーく見てみたら、そして弾いてみたら、全然そんな感じではない!!
なんか、こう、苦悩とか、挫折とか、進歩の「裏側」を描いた曲なのかも……?
ということで、今日は私の「進歩」のイメージ、改訂バージョンを書かせてください!!
出だしは軽快
この曲ね、出だしは明るいんですよ。

左右の手が揃って、軽やかにスケールを上がっていって、

戻ってくる時も、スタッカートで軽快に。
落ちていく中間部
ところが、中間部に入ると、急に短調の物悲しい雰囲気になって、

落ちていく!!
どんどん落ちていく!!
楽譜の見た目的にも、完全に下り坂……!
しかも、ここ「f(フォルテ)」なの!!
曲の見せ場なの!多分!!
さらに、この

「低い音にいくとき」にアクセントが付いてるの、分かりますか……。
これなんか、もう、「堕ちた時の衝撃」を表しているかのようで……胸が痛い。。
それでも、頑張って這い上がろうとするんです。
少しでも高いところに戻ろうとするんですよ。
でも、そのたびに、スタッカート。
音の繋がりが切られる。
そしてまた低いところに落ちるんですよ。
アクセントつきで、ドーン!と。
しかも、さっきより更に低いところに……(悲)
そして1番低いところまで落ちる
そうして、遂には右手が真ん中の「ミ」まで戻ってきます。

実はこれ、最初の音なんですよ……。
最初この「ミ」からスタートして、順調に上がっていったのに、壁にぶち当たって転落して、ここまで戻ってきてしまった。
あああ……。
もがきながらも進む時期
しかし、ブルクミュラーは諦めない(いや、ブルクミュラーの人生かどうかは知らないけどw)。
「p(ピアノ)」で静かに、しかも短調の物悲しい響きの中で、もがきながら、苦しみながら、じわり、じわりとまたレベルを上げていくんです。

スタートの「ミ」に何度も戻ってきて、しっかりと基盤を固めながら!!
そうして気がついたら、スタートより1オクターブ高い「ミ」を拠点にできているのだ……!!

再びの「進歩」
そしてもう一度最初に戻り、もう一度!!
上り続ける「進歩」です!!

挫折と苦悩を味わったあとだから、きっと最初とは違う景色が見えているんだろうな。
もう一度成長できる喜びを噛みしめているんじゃないかな!!
そしてラストは……。

強く、華やかにフィニーーーッシュ!!!!
……という、「進歩」や「前進」の裏側というか、実態というか、そういうものを表した曲でした。
と、私は勝手に解釈しました(笑)
曲の解釈が変わると
「曲の解釈が変わると、音が変わる」みたいなことはよく聞きますが、私の場合は……どうだろう?
とりあえず、今回の曲には愛着が湧きました。
この「愛着が湧く」っていうだけでも、大きな収穫かなと思います!
じゃないと練習をサボりがちになるから……(笑)