今日は、こちらのテキストから↓

「非和声音を含む旋律」を弾くときのペダリングを学んでいきたいと思います!
非和声音を含む旋律が課題になるのは、これが2回目ですね。
ちなみに1回目はこちらです↓
ピアノ・ペダルテクニック(8) Exercise 3 非和声音を含む旋律1
そして、「ピアノ・ペダルテクニック」に関する他の記事はこちらからどうぞ♪
ピアノ・ペダルテクニック – ピアノの美しい響きと表現のために –
非和声音を含む旋律とペダリング
さてさて、今回の課題曲はツェルニーの「リトルピアニスト No.43」。
ポイントはここです↓

右手の親指で「ファ」を保持しつつ、他の指で「ドシラ」を弾く。このとき、ペダルはなし。
そして、
- 「シ」を弾く
- 直後にペダルを踏む
- 「ファ」の親指を離す
- 次の「ミ」を弾く準備をする
- 次小節の重音を弾いた直後にペダルの踏み替え
という流れなんですが……。
打鍵・離鍵・ペダリングのタイミングがシビア
2のペダルを踏む前に親指を離してしまうと、音がプツッと切れてしまう。
かといってペダルを踏むのが早すぎると、1よりも前の「ドシラ」の「ラ」の音が残ってしまうことがある。
だから打鍵・離鍵・ペダリングの順番がとても大事!!
……なんですけど、これ、テンポが上がると訳がわからなくなるんですよ!!
4分音符=60くらいなら、ちゃんと
「よし!音がプツッと切れてない!」
「うん!『ラ』の音も残ってない!」
って分かるんですけど、この曲の本来のテンポ指示は

92!?
いやいやいや……。
そもそも、ペダルを踏みながらこのスピードで弾くのはムリ!!
仮に弾いたとしても、音が切れてるとか繋がってるとか、そういうのが全く聞き分けられないよ!!
♩=92のときの、8分音符の時間ってどれくらい?
ここで改めて考えてみると、
4分音符=92のテンポということは、
→1分間に4分音符が92個
→1分間に8分音符が184個
なわけで、つまり
8分音符1つ分の時間は
→60秒÷184個=0.32秒/個
そう、つまりこの部分は↓

0.32秒しかないんですよ!!
その間に、
- 「シ」を弾く
- 直後にペダルを踏む
- 「ファ」の親指を離す
- 次の「ミ」を弾く準備をする
の順番を前後させることなく弾くって激ムズじゃないですか???
一つの作業に0.1秒もかけられないなんて!!
ピアノの「0.1秒」の厳しさを思い知る
……というわけで、今回は4分音符=60くらいでギブアップします(笑)
60までは、ちゃんと音の繋がりを聞き分けられてるし、弾くこともできてます!
が、これを70まで上げると、かなり怪しくなってくるかなあ……。
ここでまた計算してみると、4分音符=60なら、8分音符1つにかけられる時間は0.5秒。
4分音符=70なら、8分音符1つにかけられる時間は0.42秒。
その差は、0.5ー0.42=0.08秒。
この、たったの0.08秒が詰められない。
この0.08秒に、高い高い壁を感じます……。
って、最初にピアノの練習を始めたときは、まさかこんなスポーツ選手みたいなことを書くとは思わなかったわ(笑)
当然、プロのピアニストの方々はもっともっと早いテンポ、そして8分音符どころか16分音符・32分音符単位で手足を動かしているわけで、もう本当に「スーパーアスリートですね!!!」ってなりました。
すごいなぁ!